笑わせんな

2004年12月1日
 その疑問が出るのは必然だった。「俺は本当に音楽が好きなのか?」
 この疑問を自分で確実に認識したときやはりと感じた。音楽を聴いているとき、ドラムを叩いているとき、作曲をしているとき……満足しているようでしていないようで、楽しんでいるようで楽しんでいないような…不思議な感覚が心を襲うことがしばしばあった。
 その疑問が自分が行なっていること全てに疑問が投げかけられているると気付いた。以前もこのような疑問が湧き出る時期があったが、それはまだ些細で稚拙な事への疑問だったのですぐに解決……というよりも無理矢理妥協して忘れていった。しかしその疑問は闇の中で樹木が根を伸ばすように増大し成長した。そしてそれは自己嫌悪を通り過ぎ、いつしか自己否定という形となって俺を傷つけ始めた。存在全てを否定して、傷つくだけ傷ついて、被害者と加害者が共存したまま答えは出ない。
 思い込むことで、自分自身の存在を保守するために偽りの自分を作り上げた。理想と現実の間に生じた歪みは時が過ぎるにつれて大きくなり、それは埋めることの出来ないものとなった。堪えられなくなった心は砕ける以外に逃げ道を見つけられなかった。

 そして俺は、手にしていたスティックを壁に投げつけた。

「笑わせんな」

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